こちらでは、石の宝殿と竜山周辺史跡に関する「新しい魅力」の要素を、様々な角度から紹介していきます。
【魅力その① 播州石乃宝殿石切唄のご紹介】
昔から、木挽唄(こびきうた)や田植唄(たうえうた)のように、仕事をしながら唄われた唄(仕事唄)があります。山から石を切り出し、加工する石工(いしく)さんたちの間でも、石切唄というのが唄われました。
山形市山寺の花崗岩の石切り場で唄われた「山寺石切唄」や、岡山県笠岡市北木島の北木石(これも花崗岩)の石切り場で歌われた「北木島石切唄」がよく知られています。
ここ、兵庫県高砂市にある竜山石の石切り場では、「播州石乃宝殿石切唄」が、古くから伝わっています。
この度、竜山石の代表的な石材店のひとつである、株式会社松下石材店の専務取締役でいらっしゃる松下尚平さんから、その音源と歌詞を提供していただきました。
この音源は、創業が明治五年という松下石材店さんの三代目の松下利吉さんが唄われたもので、松下家にあったテープの音源からデジタル音源に変換されたものです。また、歌詞については、松下尚平さんが、これを聞いて書き起こされたものです。今では、唄う石工さんも少なくなったという石切唄ですが、尚平さんご自身は、これを何度も聞いて練習を重ね、機会があれば唄われることもあるそうです。いちど、生でお聞きしたいものですね。
今回は、利吉さんの唄でお聞きください。
また、利吉さんは、竜山石で彫ったオンビキ蛙を多く残されました。オンビキ蛙を彫る利吉さんの写真も提供していただきましたので、ご覧ください。